相続時精算課税を選択した受贈者が、特定贈与者から令和6年1月1日以後に贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、暦年贈与の基礎控除とは別に、贈与税の課税価格から基礎控除額110万円が控除されます。また、特定贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算されるその特定贈与者から令和6年1月1日以後に贈与により取得した財産の価額は、基礎控除額を控除した残額とされます。
2024.11
令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。相続により不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。遺産分割が成立した場合には、これにより不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に相続登記をしなければなりません。正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となります。また、令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが、義務化の対象となります。不動産を相続したら、お早めに登記の申請をしましょう。
2024.10
後継者が贈与により取得した株式等(ただし、議決権を行使することができない株式を除く)に係る贈与税の100%が猶予されます。本制度の適用を受けるためには、経営承継円滑法に基づく都道府県知事の認定を受け、報告期間中は代表者として経営を行う等の要件を満たす必要があり、その後は、後継者が対象株式等を継続保有すること等が求められます。また、後継者が死亡した等の一定の場合には、猶予された贈与税が免除されます。
2024.9
〇無効となる危険性の有無
自筆証書遺言書は内容が簡単な場合はともかく、そうでない場合には法律的に見て不備な内容になってしまう危険性があり、後に紛争の種を残したり、無効になってしまったりする場合もあります。しかも自筆証書遺言は、誤りを訂正した場合には遺言者がその訂正した箇所を指示し、これを訂正した旨を付記してそこにも署名し、かつその訂正した箇所に押印をしなければならないなど、方式が厳格なので方式不備で無効になってしまう危険もつきまといます(民法968条)
これに対し公正証書遺言は、公証人という法律の専門家が関与するので、複雑な内容であっても法律的にきちんと整理した内容の遺言にしますし、もとより方式の不備で遺言が無効になるおそれもありません。また公正証書遺言は、遺言をその場で訂正する場合でも、公証人が責任をもって訂正手続きを行うので安心です。 2024.8
相続税財産の申告で、被相続人が生前に贈与した財産の相続財産への加算が漏れていることを税務署が把握した場合、納税者である相続人に対して書面等で修正申告を促します。加算漏れにより修正申告を促すことは、これまで調査として対応されていたため、納税者が修正申告に応じても過少申告加算税が課されていました。しかし、大口・悪質事案に調査の事務作業量をかけるため、加算漏れが見込まれる相続人等には行政指導として自発的な見通しを要請する位置づけ変更しました。行政指導により納税者が修正申告をした場合は、過少申告加算税は課されません。
生前の贈与につき贈与税の申告をしている場合は、税務署が相続財産への加算漏れを把握できますが、相続税の実地の調査等において、これまで贈与の申告が行われていなかった財産を把握することがあります。調査によって加算対象となる贈与の相続財産への加算漏れが把握された場合は、過少申告加算税等の対象となります。なお、過少申告加算税の対象にならなくても、延滞税が課されることはあります。 2024.7